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(第9回)熊本県竜王戦予戦 [対局日誌(将棋)]

遂にこの日がやって来た。
なんとなく起きてなんとなく出撃。会場は熊本市国際交流会館。

大会の流れとしては、まず予選があり、それを勝ち抜いた者が決勝トーナメントに進出することが出来るというもの。ここまでは普通だが、本大会予選の持ち時間は10分(切れたら30秒)であり、長考派の私にとってはなかなか厳しい。一抹の不安を感じながら第1局開始。

予選第1局。

振り駒で私が先手に。後手はゴキゲン中飛車へ。嫌な戦法だ。持ち時間も少ないし感覚で進めて35手目、嫌な予感も抱きながら▲5六角を放つが・・・

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ここで後手に驚愕の一手が出る。

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少考の末の後手の一手は△4五銀!そんな手があったのか・・・
早くもはまってしまった。勿論▲同歩とは取れない。

酷すぎる。図から▲4五同角△同桂▲7七桂以下進めたが△4五銀に対する動揺を引きずった私は勝負どころを見出すこともなく惨敗。

まあ、勉強にはなったな。

予選第2局。相手は少年。
まずいな、などと弱気になる暇もなくとっとと開始、超特急で序盤は進む。そして何気ない(不用意な、というのが正しいか)▲6八玉(21手目図)に・・・

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ここでまた後手からの驚愕の一手が出る。

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後手の次の一手は△8六歩。まあ、この手自体にはそれほど驚かないのだが。。。

指された瞬間は無謀な手を、と思った。以下▲同歩△同角▲同銀△同飛▲8八歩△8七歩▲7七金△8八歩成▲8六金△7九と▲同金△6四角と進んで34手目図。

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また嵌まってしまった。
本日2局目にして2回目である。嵌まり率100%。あほやな。

以前このカテゴリに於いても<なめ腐って死す>なんていうのを残している(2007年10月29日アップ分参照)けど、今回のは桁違いに酷い。共通して言えるのは<なめていた>。

この瞬間はもはやこれまでかと思った。相手も観戦者も後手の勝利を確信したことだろう。

だがこれで終わるわけにはいかない(負けたら予選落ち)。第1局で動揺の免疫が出来ていた私はこの後渋い手を連発、驚異的粘りの後逆転勝利をものにする(下図は投了図)。

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 以下は即詰みである。危なかった。。。

予選第2局に勝ちどうにか命拾いしたが相変わらず後がない。負ければ予選落ちという状況の中、残りの対局は勝利を収め決勝トーナメントに駒を進めることが出来た。

 

いよいよ本戦トーナメントである。トーナメントは16名。4回勝てば優勝・県代表だ。

1回戦、S氏(先手)との対局。後手が私である。
予選のB級将棋とは異なり本格的な矢倉の駒組みへ(38手目図)。

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ここから先手は▲3五歩と開戦。以下△同歩▲同角△4五歩▲6八角△4四銀右▲4八飛△6四角▲4六歩△同歩▲6五歩と進んで49手目図。後手は△2二玉の一手の余裕を得たいが、先手もその余裕を与えまいと動いてくる。

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こうなったらこちらも引くわけにはいかない。私も強気に△6五同桂と応じ、以下▲6六銀△3六歩▲4六銀△4五歩▲6五銀△4六角▲同飛(!)と進み57手目図。

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▲4六同飛は予想していなかったが、以下の進行でなるほどと感心させられる。以下△同歩▲8六角と進んで59手目図。

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▲8六角と逆方向に出るのが先手の狙いだったか。以下△7五歩▲4五歩△同銀▲2四歩△同銀▲4四歩△4二金引▲5七桂と進んで67手目図。

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先手の攻めが続くか、後手が切らせるかという展開になってきたが、▲5七桂まで嫌らしく絡んでくる。さすがというべき手作りである。以下△8五歩▲7五角△同飛▲同歩△3四銀▲8一飛△2二玉▲5四銀△4七歩成と進んで76手目図。

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途中の▲5四銀をうっかりしていた。これで▲7七角のラインが受けにくい。形勢は先手に傾いたか。戻って▲2四歩には△同歩だったかなどといろいろあるが、ここまで進んではそんなことを言ってる場合ではない。なんと言っても時間のない将棋なので深読みできない。指運も勝負に加担しそうだ。76手目図以下▲5五角△4六銀▲4三歩成△5五銀▲4二と△同金▲4三歩と進んで83手目図。

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やはりこのラインに角を打ってきた。以下緩みなく先手は迫ってくる。どうやら図の▲4三歩で決まったか、という場面である。確かに平凡に応じていては寄り倒される。そこで私は受けの勝負手△5二金を放つ。以下▲4一飛成△3三玉▲5五歩△3五銀左と進んで88手目図。

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△5二金が功を奏した。金一枚の犠牲により上部脱出がほぼ確定、どうやらしのいだようだ。勝ちを意識した。

ところがこのまま終わることはなかった。油断した私は時間にも追われ疑問手を連発、最後は逆転負けを喫してしまった(図は投了図)。

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負けと思った将棋を逆転し、勝ったと思った将棋を負ける。
勝負の世界の怖いところである。
今年の竜王戦はこうしてあっけなく終わった。また来年、次回は満足のいく結果を残さねば・・・

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会場からの風景。熊本城が見える。

 

今回(第9回)はいつもとは違い3局も一つの記事に纏めてしまったが、大会出場の譜ということで。


タグ:将棋
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