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番外編;女体山・奥の院コースへ(第88番;大窪寺) [四国八十八箇所]

はっきり覚えていないが、長尾寺を終えたのは12時45分くらいではなかったかと思う。

長尾から16キロ。

大窪寺までの距離(標識情報)である。
どう考えてもわずか16キロをたとえ4時間かけても行けないはずはない。

2年前の敗北の借りを返すべく、進撃開始。

途中なだらかだが長ったらしい登り坂に先回同様疲れるが、因縁(?)の前山ダムへ。

     
私の愛馬とも言うべきままちゃりが佇んでいるのにお気づきだろうか?
2年前は2回目にここで左の「四国の道」を選択し敗北した。
やはり右の車道を行くべきだろう。

車道を進み、少しばかり道の駅長尾(休憩所)で休んだ後、いよいよ真の進撃だ。

時刻は13時50分。今回は間違いなく行ける筈。。。

少し自転車をこいだところで登りは急となり、押して進んでいるところへ。。。。

     

え、こんな分岐点があったっけ?こちらにも車道(一番色の濃い道)があったの?
しかも女体山(+書いてはないけど奥の院)経由ではないか!
しかも当然予定していた車道(右側コース;色の薄い方)よりも近いではないか!!

というわけで急遽この左側(前述通りこちらも車道ですな)の女体山奥の院コースに変更。

結果論だが、ここで私は身の程を知る(‐◎_◎)ノ。

死んでいてもおかしくはなかった。。。

この甘い選択に、2007年9月9日に書いた<地獄のコース>を進むこととなる。

近道だけあって凄い上り坂だ。自転車に乗って進む場面など皆無に近い。
押して進むのもだんだんハードになってきた。。。

途中何回休んだであろうか。今年は猛暑でもあり、先回同様横(仰向け、もしくはうつ伏せ)になって倒れこむように休み、そして気絶する。何分(何十分?)か経って起き、また進むの連続。持参の水も残量を考えながら補給するも体力の消耗は思いのほか激しい。もはや限界に。

水もいよいよ底をついた。山中であり、当然自動販売機なんかは一切ない。
出来ることは影のあるところで横になって休むことのみ。
後悔してももう遅い(戻るのは簡単だが)。
あとどのくらい進めば目的地なのか、見当もつかない。
頭にあるのは<進む道はない、だが進まねばならない(ノーノ曲)>という、曲ではなく曲名のみ。

いよいよ限界。
当日中の納経はもう無理であろうと諦めたのはこのあたりだったろうか(時刻はまだ16時にもなってなかったが)。そうこうしているうちになにやら標識が見えた。

     
ついに目的地女体山が近いことを知る。もう少しの頑張りだ。
     
ちなみに今どのへんかというと、このへんですな(遥か遠くに八栗寺のある山が見える)。

だが、もはや私にこれ以上自転車を携えていく体力と気力は残ってはいなかった。
この山道を進むのが近道ならば、ここを進むしかない。仕方なく右の標識に自転車を結びつけ(すまぬ)、ここからは徒歩で前進することに(この時点で日帰りも諦める)。

もはや決死の進軍だ。文字通りの登山で、気力だけで進む。例によって途中何度も休むが、疲れ果てて泥の上だろうが横になる始末。
蟻が手を這おうとも、蚊が刺しまくろうとも、かまう体力さえ残っていなかった。。。

だがどうにかして辿り着いた。女体山山頂だ。
           
本当に死ぬかと思った(だがそう思うのはまだ早かった)。。。
     
女体山山頂よりの風景。
右奥に屋島寺のある山が見えます。ということは中央奥の平地は高松市なんですね。

さて、女体山をあとに、大窪寺へ向かう。女体山の標高が大窪寺より高い以上、あとは基本的に(多少の上下はあろうが)下りである。
奥の院はどこにあるのだろうか。。。

山道から再び車道に合流。下の写真が。
     
ここで再び分岐点が訪れる。茶色のコースを行けば奥の院経由で、白のコースを行けば直接大窪寺に辿り着く。大窪寺までの道のりは約1.2キロとある。もう近いではないか。だが、奥の院経由のコースはまた上り道(翌日の写真参照)である。
わずか1.2キロとはいえ、体力の限界をとうに過ぎていた(1メートルでも上に登る体力・気力がなかった)私はどうせ日帰りを諦めてるし、とりあえず、何はともあれ納経だけでも先に済ませられるなら、と白のコースを選択。見るからに下りが続いている(翌日の写真参照)。

これがまた重大なミスだった。

下りとはいえふらふらと、行けども行けどもゴールは見えない。実は1.2キロというのは茶色のコースだったのだ。結論から言うとこの白のコースはどうやら7キロ以上はあったようで、またしても倒れこんでは休みの繰り返し。
とはいうものの、発見もあった。途中、女体山展望台登り口があったのだ。体力気力限界の私は寄り道する余力はなかったのだが、どうやら大窪寺の背後に聳えるあの巨大な岩山、あれもまた女体山であるようなのだ(以前にもインターネットで女体山には複数の頂上があるようだ、というのを見たことがある)。となると、これをパスしたということは目的未達成、という説も浮上してくるのが悔しい。
まあ、あくまで目的は大窪寺と奥の院なんだけど。

    
ここはどこなんだよう。大窪寺まであとどのくらい歩けばいいんだ。。。なんかすごい風景だな。。。

そうしてこうしてつい近づいてきた。犬の声も聞こえる。大窪寺だ。間違いない。時刻は18時15分くらいだったかな。取り敢えず、自動販売機で甘いのを2本買って一気飲み(この日朝から何も食べていなかった)、さらにもう一本買って民宿へ。そしてここでも悲劇が起こる。

民宿は2箇所あるうち片方がお盆で休み、そしてもう一箇所は満室(T_T)。

なぜだぁぁーーーー、長尾寺の民宿はやってたのにー。。。。。。

まあ、しょうがない、野宿やな。一日何も食べれなかったのは最後の誤算だったな。

     
というわけで、ここ(休憩所ですね)に野宿することに。ちょっと怖いな。。。

野宿とはいえ、文字通り野ざらしだし、野犬や野猿やざしきわらしとかデーモン小暮とかが来たら怖いなと思いながら近づくと、む、なにやら人の気配がする。どうやらお遍路さんのようだ。雰囲気が明らかに野宿モード。後から来た身だし、恐る恐るこんばんは、と挨拶して反応をうかがったところ、普通の方だった。どちらかにお泊りでは?と訊ねると案の定この方もここに野宿されるとのこと。独り野宿よりは遥かに安心で心強い。ラッキーだった。とは言え、なんという蚊の多さ。発狂しそうなほどだ。お遍路さん曰く21時過ぎたら蚊はいなくなるとのこと、気になるのだったら、道路に近いところのベンチが風もあるのでいいでしょう、とのことだった(いやー、このお遍路さんにはいろいろ教えていただきました)ので、そこに陣取り寝ることに。二人とも早めに寝たのだが、寒い。寒くて寝れん。途中、若者たちが闇の中を車で写真をとりに(心霊写真目当てかな?)来たりしていた。寝れなかったので隣の茶屋のベンチに座っていたら車が停まりかけて急発進して去っていった。私を霊と思ったのかな?

とにかく寒くて寝れんです、と言ったら、お遍路さんが身体障害者用のトイレを教えてくれた。身体障害者用だけあって密室である。ドアを開けて電気をつけたら蚊が何十匹もいてまたまた閉口。取り敢えず入ってドアを閉め片っ端から蚊を叩き落し、壁にとまっているやつらも相当数叩き潰し、残りの逃げ惑う20匹を2時間くらいかけて全滅。ところがここは密室だけあって今度は暑い。開けると蚊が入るし。。。仕方なく暑い中便器(ここしかない)に座って休むが・・・・全然寝れん。微動しただけで換気扇反応するし。

とまあ、こんな感じで一睡もすることなく夜が明ける。

地獄の2007年8月14日はこうして生き延びることが出来た。
2007年8月15日の到来である。長文失礼致しました。


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コメント 2

本日事故った男

毎度どーもお疲れさまです。ブログ拝見しました。
hp見て意味なく凹みましたが、こっちはok。問題なしです。
っていうか、結構廻ってるんですね。
ビックリしました。

これから麺なしパスタ食べ行きます。

では、また。
by 本日事故った男 (2007-09-12 21:06) 

Der_Einsiedler

お、本日事故った男様、はじめまして。
コメント有難うございます。
またちょくちょく来て荒らして行って下さい(‐◎_◎)ノ
by Der_Einsiedler (2007-09-13 00:29) 

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