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(第5回)無知~恥 [対局日誌(将棋)]

変な題目だが、私がこれまで紹介してきたようなかっこいい将棋ばかり指しているわけではない、という例を紹介しよう(紹介せんでいいという声が聞こえてきそうですな)。
時には今回のような無様且つ恥さらしな将棋を指すことだってある。

2007年10月28日。つまり昨日ですな。相手はN氏(先手)。私が後手である。

           

例によって横歩取△3三角に誘導しようとしたら角交換され、角換わり腰掛銀に。

実はこの戦形は不得意戦法の最たるもので、これまでにも殆ど指していない。
以前少しだけ勉強してその成果(?)をHPにも公開したが、指していないが故に何の役にも立っていない。
本局にてそのツケを思い知らされることになる。
ここで何気なく指した私の次の一手がどうやら問題だったようだ。

私は図で△4四歩と指した。▲4五歩を嫌った手で、同形腰掛銀の駒組が続くかと思いきや・・・

対して先手は▲6六銀。なんと、積極策に出てきたではないか。
この手自体は前からあるので知ってはいたが、定跡は全然知らん。
以下△8五歩▲5五銀左と進んで下(第29手目)図。
私の指し手の背景には我流ながら咎めちゃろうという思惑があったのだが。。。

           

これで後手は歩損が避けられない。勿論それはわかっている。
一応次の手で嵌めようと思ったのだが・・・
29手目図以下△6三銀▲4五歩△同歩▲同銀△8六歩▲同歩△8五歩と進んで下(第36手目)図。

           

図で▲8五同歩は同飛の十字飛車が決まる。
△6三銀の意味は▲4四銀なら△5四歩の銀ばさみがあるので先手はこれ以上は進めないだろう、というものだったが、▲4五歩が読みになかった手。指されてみるとなかなかの手だ。
図以下▲3四銀△8六歩▲8八歩△8五飛と進んで下(第40手目)図。

           

後手の指し手は既に苦し紛れという感じ。しくじったか・・・
こうなるのなら△8五歩では自陣に手をかけるべきだったか、などと思ってももう遅い。

図以下▲4八飛△4三歩▲5六歩△5四歩▲7七桂△8二飛▲4四歩と進んで下(第47手目)図。

           

銀を逃げずに踏み込む▲4四歩がさすがの一手で、後手潰れている。

47手目図は対局中も「こう進んだらまずいな、でも指してこないんじゃないかな」と思っていた順。
失礼ながらN氏を見くびっていた。ここまで来ると、もうしくじったか?のレヴェルではない。
なめてかかるとこうなる、という見本か。
以下は指してみただけ。

47手目図以下、△5五歩▲7一角△2四角▲5九玉△7二飛▲4三歩成△同金左▲同銀成と進んで下(第55手目)図。

           

事実上ゲームセットである。図で△4三同金は▲5三金。見事に決まった。
本譜は図以下数手で投了。

まったくもって無様で屈辱的な負け方だが、屈辱とはいえない。知らぬが故の<恥>と言うのが正しいだろう。

とまあ、露出狂的に負け将棋を公開しても仕方ないのだが、あまりにひどい負け方もあって棋書を何気にめくってみた。

なんと、あるではないか。。。

これが最前線だ!(深浦康一先生著)のテーマ37。
先後逆ではあるが(実はこの将棋も先手から角交換しているので先後が逆転しており、まさしくこの棋書に同じ)、

「△6五歩を嫌って▲6六歩と突くことも考えられる。その場合は△3三銀~△4四銀~△5五銀左のぶっつけを狙う将棋になる。先手としても乱戦は避けたいのか、プロの将棋で△6五歩拒否は少数派である。」

とある。N氏はこの戦形を知っていたということか。知の勝利、無知の敗北であった。

今後もいろいろな意味で気をつけたいものだ。                       

これが最前線だ!―最新定跡完全ガイド (最強将棋塾)

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